A series ーエイ シリーズー 3−6
  〜「レプリカ」という事実を断髪前ルークが
               アクゼリュス崩壊前に気づいていたら



夢から覚めたら、既に日が落ちていた。

「夢にしちゃ・・・リアルすぎ、か・・・」
「やーっと、起きたか」
「ガイ・・・」
「ずいぶんと寝てたみたいだな、良い夢は見れたか?」
「・・・まぁな」

また嘘をついてしまった・・・
良い夢ではない、むしろ悪い夢に近い物だった。
未来を知ってしまった訳だし、何よりも返事を決めなくてはならなかった・・・

「・・・ーク?おい、ルーク!」
「へ?何だ??」
「何だじゃ無いだろ?飯、みんなとっくに食い終わってるぞ?」
「まじかよ・・・腹減ったぁ・・・」

たしか俺が船に乗って部屋に着いたのは昼飯食べる前だったから・・・
・・・・っげ、昼と夜両方くいそびれたのかよ・・・

「・・・・ほら、おにぎり作っといてやったぞ」
「さすが、ガイだな!!良くわかってるじゃん!!!」
「あたりまえだろ・・・ってほら、ご飯粒ついてるぞ」

ぺろ

口元についているご飯粒をガイが舌で取って食べ・・・た?

「お、おま・・・な、何してんだよ!!!」
「何ってご飯粒取っただけだが・・・なんだ、照れてるのか?」
「照れてなんかねぇ!!」

急に恥ずかしくなった俺は、カラになった皿をガイに手渡すとドアノブに手をかけると部屋から出た。

「・・・ちと、やりすぎたか」

ガイのつぶやきを聞き逃して・・・・


「ったくガイのやつ・・・ん?あれは・・・イオン?」

部屋を出て、ぶらぶらと歩いていたらイオンがじーっと海を見つめていた。

「何してんだよ」
「ルーク・・・寝付けなくて」
「そっか・・・」

俺も海を見ていると、イオンがちょっと控えめに話しかけてきた

「大丈夫・・・なんですか?」
「何がって・・・・あぁ、あれか。とりあえずは平気だよ」
「そうですか・・良かった」

あいからわず、人がいいなと心のなかで思う・・・
自分と同じレプリカなのに、こんなにも違う。
イオンが羨ましく見えた。

「なぁ・・・イオン」
「なんですか?」
「もし、明日世界が滅ぶとしたらお前は何をする?」

俺はイオンを試すような感じで質問をした
本当は自分にされるべき質問をイオンにするとはなんて弱いのだろうと
自己嫌悪しそうだった

「そうですね・・・人を助けます」
「助ける?」
「えぇ・・・少しでも多くの人々が幸せに死ねるように助けるんです」
「イオンらしいな・・・」
「そうですか?じゃあ、ルークはどうなんです?」

イオンはにこりと笑うと、同じ質問をしてきた。

「わからないな・・・逃げるかもしれないし、イオンと同じ人を助けるかもしれないし・・・」
「・・・・ルークらしくないですね」

イオンはぎゅっと俺の手を握ると優しい笑顔で言った

「ルークは、自分が思った通りの事をすればいいと思います。
過去を悔やんでも、過去は変える事は出来ない・・・だけど、未来は変えられると僕は信じていますから」
「イオン・・・・ありがとう」
「ルーク・・・・どういたしまして」

イオンは俺がお礼を言ったのが意外だったのか、目をぱちくりさせていた。
イオンもあんな顔をする事ができたんだな・・・・
だけど、イオンに質問して良かったと思う
俺の気持ちがまとまったのだから・・・・


ー返事は?


『・・・・俺は、アッシュを助けたい。もぅ二度と愛し合えないかもしれない・・それでも、アッシュを・・・・・みんなを助けたい!!』


ーありがとう・・・・ルーク


『お前もルークだろ?』



後書き
 ただ、イオンとルークを二人きりで話させたかっただけなんです。
 へへへ・・・・