A series ーエイ シリーズー 3−19
  〜「レプリカ」という事実を断髪前ルークが
               アクゼリュス崩壊前に気づいていたら




「大切に決まってんだろう!!」
「・・・お前はそう思っているが、私はこの役立たずのレプリカを大事だとは思っていない」

ヴァンはそういうと、懐から短剣を取り出しルークの首筋に当てた。

「ヴァン!止めろお!!」
「くくく・・・・・断る」
「あ・・・・放せえええええ!!!」

短剣がルークの首を斬ろうとしたその瞬間
ルークの恐怖が絶頂に達したのか、暴れ出した

「なっ!?」
「いやだああああ!!!」
「ルーク!!!」

暴れるルークを力づくで押さえるヴァンを見て、俺は走り出した
剣を抜きながら・・・

「ルークを放しやがれええええ!!!」

ザシュ

「ぐう!!」
「閣下!?」

一撃、ヴァンに当てて俺はルークをヴァンから引き離した

「アッシュゥ・・・」
「大丈夫だ・・・」

安心したのか、ルークはぼろぼろと涙を流し始めた
俺はその涙を指ですくい、そして抱きしめた

「気は済んだか?アッシュよ」
「ヴァン・・・・」
「レプリカルークを渡してもらおう」
「断る。こいつは俺のだ」

俺はルークを抱きしめている力を込めながら言った
もぅ二度とあんな思いはしたくはないからだ
ルークも俺と同じ気持ちらしく、ギュッと俺の服を掴んでいる

「・・・・やはり、力づくで奪わなければならぬか・・・」
「その必要はないよ、ヴァン」

ヴァンが剣を抜こうとしたそのとき、シンクが声を発した
いままでずっと黙っていたシンクを俺たちは見るヴァンも同様に

「どういう意味だ?」
「どういう意味って・・・・こういう意味さ!!!」
「ぬぐう!!!」

シンクが声を上げヴァンをぶっ飛ばした
いきなりのヴァンへの攻撃に驚きを隠せない

「なにぼさっとしてんさ!!さっさと逃げるよ!!!」

力の限りヴァンをぶっ飛ばしたシンクは放心状態の俺たちを一喝した
その一喝で我を取り戻した俺たちは急いで走り出した
・・・シンクとリグレットがついてきたが

「これから、どうするんだよアッシュ!」
「この先に船を待機させてある。それに乗るんだよ」

敵をぶっ飛ばしながら、俺たちは船を待機させてある入り口へと向かった
そしてようやく入り口につき、船に乗った

「あら、坊やお帰り」
「さっさと船を出せ!!」
「わかってるわよん。お前達!!」
「分かってるでゲス」

追っ手はすぐ側に来ていたが危機一髪で追っ手が船に乗ることはなかった

「・・・・ルーク?」
「・・・・・」

安心したのか、ルークはいつの間にか俺の腕の中で気を失っていた
俺はそんなルークを抱きかかえ甲板に向かった










「あら、坊や達は?」
「・・・・あそこで寝てる」

シンクは甲板を指しながら言った
仮面で表情は見えないが、あきれているらしい
ノワールは不思議な顔で甲板を見ると

「あらん」
「「・・・・・」」

アッシュとルークがお互いに抱き合いながら眠っている姿をみた
その表情はとっても幸せそうだったという




後書き
 アッシュとルークがありえない事になってきた
 しかも、漆黒の翼までだしちゃったし・・・・