半身への愛惜〜夢と・・・
『・・・・く・・・な・・・ど・・・・・シュ』
ー夢?
『・・・・こ・・・って・・・・く・・・た・・・じゃ・・・』
ー・・・いや、夢にしては胸が・・・・・・痛い
「・・・またか。最近頻繁に見るな」
ヴァンに連れ去られてから見るようになった「夢」。
その「夢」を見ると胸が痛くなり、苦しくなる・・・何かを表しているかのように。
「・・・アッシュいるか?」
暫く夢について考えていると、ラルゴの声がドア越しに聞こえた。
こんな朝早くに彼がたずねて来るのはとても珍しい・・・いつもなら、早朝の訓練に入っているのだ。
「・・・なんの用だ?」
「総長が我々を呼んでいる。すぐに会議室に来い」
「分かった」
アッシュはこんな朝早くになんの用だと文句を心の奥底に言いながら、素早く着替え会議室に向かった。
「・・・・」
会議室に行くとそこにはアッシュ以外の六神将といつもより難しい表情をしているヴァンの姿がいた。
「・・・こんな朝早くからいったい何の用だ。ヴァン」
「そうだよ。いいかげん僕たちを集めた理由を聞かせてよ」
どうやら、ヴァンはアッシュが来るまで一言も理由を話さなかったらしくシンク達が少し苛立っているようだ。
それに気がついたのか気がついているのか・・・ヴァンは口を開いた
「少し・・・いや、かなりやっかいな事になった」
「やっかい?何がだ?」
アッシュはいつもと様子の違うヴァンを見て、一瞬だがいやな予感がよぎり表情をゆがませた。
しかしアッシュは今はそんな事を気にかける事はできなかったが、そんな事を一気に吹き飛ばす発言をヴァンは言い出した
「・・・ルークが女性になった」
あとがき
アッシュさん頭痛の変わりに夢を見ています。
もちろん、プロローグの時の夢です。
でも、見ているだけで全然未来の事は思い出しません。
むしろ、思い出させません・・・
思い出すと、三章と似てしまうので・・・