半身への愛惜〜プロローグ







崩壊したホド島のレプリカ『エルドラント』から結界に護られながら、地殻に落ちてゆく『聖なる焔の光』と『聖なる焔の燃えかす』の亡骸・・・


「約束・・・破るなんてひどいよアッシュ」


冷たくなったその体を抱え、もう感じることのないぬくもりを求めるルークは静かに一筋の涙を流した・・・


「俺、言ったよな?全てが終わったら言いたい事があるって・・・聞くって言ったじゃないか・・・」


一筋だった涙がやがて、空が泣くようにボロボロと涙が綺麗な緑色の瞳からあふれる。
その涙は全てアッシュの顔に落ちるが、決して動くことは無い。
たかが涙で生き返ることはないのだ・・・



ールーク・・・


「ローレライ?」


いつの間にか地殻に落ちていて、結界の元となる譜陣から焔が渦巻き、ルークの前にとどまった・・・ローレライである。



ーアッシュに・・・会いたいか?


「会いたい。会って、言えなかったことを・・・伝えたい」


ー自らの存在を変えてもか?



願いの強さを確かめるように、ローレライは言葉を紡ぐ
その言葉一つひとつに重みを感じるが、どうしても伝えたい言葉があるルークは決心を胸に秘め、涙をぬぐいローレライに言葉を返した。



「それで、アッシュに会えるのなら・・・」


ー分かった。私を解放してくれた最大の礼だ・・・願いを叶えよう。






パァアアア






「ありがとう・・・ローレライ」


ー礼には及ばぬ・・・



ローレライがそう言ったあと、ルークは光に包まれた消えた。
光に包まれた時、ルークはローレライの言葉を聞いたような気がした
「一度死した者を生き返らしてはならぬ・・・しかし、過去を変え未来を変えることならば・・・出来るかもしれぬ」と・・・






後書き
 ルークはまだ、アッシュに想いを伝えていません。
 ローレライを解放すれば、音素の乖離で死ぬのに
 どうやって伝える気だったんだろう?
 やっぱり・・・日記の最終ページにアッシュへの手紙を書いて伝えるとか?